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「小規模宅地の特例」について
2016-12-26
相続税を大幅に減額することができる「小規模宅地の特例」はご存知ですか?
<概要>
被相続人が事業をしていた土地や居住していた土地について、ある一定の要件を満たす場合に、相続税評価額を50%又は80%減額するという制度です。
評価額の80%減額とは、例えば被相続人が住んでいた土地について、相続税評価額が1億円だった場合、小規模宅地の特例を適用することで2000万円になるということです。
減額される割合については下表の通りです。相続開始の直前における
宅地等の利用区分要 件 限度
面積減額
割合被相続人等の事業の用に供されていた宅地等貸付事業以外の
事業用の宅地等① 特定事業用宅地等に該当する宅地等 400㎡ 80% 貸付事業用の宅地等 一定の法人に貸付られ、その法人の事業(貸付事業を除く)用の宅地等 ② 特定同族会社事業用宅地等に該当する宅地等 400㎡ 80% ③ 貸付事業用宅地等に該当する宅地等 200㎡ 50% 一定の法人に貸付られ、その法人の貸付事業用の宅地等 ④ 貸付事業用宅地等に該当する宅地等 200㎡ 50% 被相続人等の貸付事業用の宅地等 ⑤ 貸付事業用宅地等に該当する宅地等 200㎡ 50% 被相続人等の居住の用に供されていた宅地等 ⑥ 特定居住用宅地等に該当する宅地等 330㎡ 80%
①特定事業用宅地等は、相続開始の直前において被相続人などの事業用に供されていた宅地等を被相続人の親族 が相続又は遺贈により取得したものをいいます。ここでいう「事業」とは、不動産貸付業などは含まれません。
②特定同族会社事業用宅地等は、相続開始の直前から相続税の申告期限まで一定の法人(被相続人などが法人の発行株式の50%超を有している法人)の事業の用に供されていた宅地などを被相続人の親族が相続または遺贈により取得したものをいいます。特定同族会社が建物を保有、被相続人が土地を保有、同族会社なので使用貸借としていた場合は事業用宅地等には該当しないことになるので、この場合は相続開始までに賃貸借とすることで、適用することができます。
③④⑤貸付事業用宅地等は、事業として他人に貸付けていた宅地のことです。
⑥特定居住用宅地等は、被相続人の居住の用に供されていた土地のことです。特例を受けるためには被相続人と同居(二世帯住宅を含む)、もしくは生計一であることが必要となっています。配偶者は同居の有無に関わらず適用となります。やむなく同居できない親族の場合は、3年以上借家住まいで、被相続人に配偶者かつ同居親族がいないという場合(家なき子に該当)に特例適用となります。
<居住と事業の併用でも適用>
平成25年度税制改正により、特定居住用宅地等及び特定事業用宅地等(または特定同族会社事業用宅地等)は完全併用が可能となりました。
特例が受けられる面積は最大で、特定居住用宅地等330㎡ と 特定事業用宅地等400㎡の合計となります。730㎡について減額割合80%が適用され、減額割合が大きい特例ですので、相続対策の上で大きなメリットとなります。
くわしくはお近くの税務署、税理士にお尋ねください。
参考:全国賃貸住宅新聞 ㈱全国賃貸住宅新聞社
テーマ名
ページ作成日 2016-12-26